[解答21](ロ)

(a) 密閉式冷却塔は、循環水が大気開放とならず、蒸発潜熱を冷却に利 用しないため、冷却塔補給水は必要である。 密閉式冷却塔は開放式冷却塔の充填層の部分に乾式・フィン付管式又は プレート式などの熱交換器を設置して、熱交換器の外面に散布した水の 蒸発線熱を利用して管内の冷却水を冷却するもので、熱交換器を除けばそ の他の構造や構成部品の機能は開放式冷却塔のそれとほぼ同じである。熱 交換器の管材料としては銅管、亜鉛めっき鋼管、特殊な用途ではステンレ ス鋼管なども使われる。 密閉式冷却塔は、開放式と違って間接熱交換となり所要静圧が増加するた め、送風機動力が大きくなる上コストも増加すねが、冷却水が汚れないた め冷凍機の性能低下などの問題が少なくなるので、高い信頼度を要求され る電算室や、クリーンルーム用の冷却塔として需要が伸びている。但し、 散水水量の保有水量が少ないため、不純物の濃縮が激しいのでシビアな水 質管理が必要である。 又、年間を通して密閉式冷却塔を使用する場合、厳寒期に外気温度が0℃ 以下になると管内の循環水温度が低下して凍結し、破損する恐れがあるの で循環水中に不凍液を投入するなどの凍結防止対策が必要な場合もある。
(d) 冷却塔の設置位置が高所で、十分な静水頭が凝縮器にかかっている 場合には、冷却水ポンプの吐出し側に凝縮器を設置することは、凝 縮器の耐圧上不利になる。 冷却塔と冷却水ポンプ及び冷凍機の凝縮期の位置によって、管内の圧力分 布が異なるので、それぞれの特徴を理解し、機器の耐圧、管内負圧発生の 防止などを十分検討する必要があるので、下表に示す。